新聞小説「讃歌」 原作:篠田節子
           朝日新聞朝刊で連載中(2004年 月〜)

日記形式で時々書いています。





2005.3.6
小野らの制作した作品の中で冷たい指導者として表現されていた、柳原園子の留学先での恩師であるエレーナ女史が、この件について正式に抗議を申し出る。
関係者を守るため矢面に立つ椿坂。ただ「芸術選賞」まで取ってしまった後のため、後処理にはかなりの手間が予想される。だが園子の演奏はプロの目から見てそんなに問題があるものなのか?小野は釈然としない。

うーん、もうそろそろ核心に迫って欲しい感じです。



2005.2.27
園子の意向に添った形で演奏風景の収録が行われるが、その場に居た音大卒のAD神田は彼女の演奏に違和感を覚える。
実は小野の交渉以前に他局での制作が進んでいたが、それを園子が途中でキャンセルしていた。至急代役を立てて制作された番組を小野らが見る。ドタキャンに対する制裁なのか、かつて園子がウィーンに留学していた時の指導者もそこに出て、園子に関するコメントを発言。園子に対して西洋音楽の歴史も含め基礎を学ばせようとしたが、理解されなかったという。
それを見ていたADの神田がその専門的な知識を基準に、園子がクラシック奏者としての基本がダメなのを冷静に指摘。

小野が直に逢って感じる印象と、周りを介して伝えられる現実とのGAP。これが標題の「讃歌」とどう繋がって行くのか。ヒネリはあるのだろうけど、ちょっと複雑な感じ。



2005.2.16
雑誌のスクープ記事も中途半端に終り、柳原園子の人気はどんどん高まるが、その一方で次回番組を巡ってトラブルが起き、その制作が中断となる。直後に柳原園子は失踪。
そんな折り、小野らが作った番組が業界の賞をもらい、続編を制作するチャンスが与えられる。
失踪していた園子から小野へ連絡があり、小野は単身園子が身を隠している別荘に向かい次回作の交渉を行う。それを承諾する園子だが、その別荘には撮影機材とおぼしきものがあり、小野の質問にもあいまいな返答。

ようやく園子本人が登場。だが相変わらず事態の真相に関しては聞く小野の方にも遠慮があるのか、あいまいなまま状況が展開して行く。
園子自体の正体は一体何か?



2005.1.9
番組審議会での議論はあいまいなまま立ち消え「謎のヴィオラ奏者柳原園子」の人気は上昇。各局が次作の制作に乗り出す動きを察知して小野及びその上司の椿坂が動き出す。
その交渉の中で園子の、舞台衣装やプログラム演目に対するしたたかな計算を椿坂は感じる。
そんな中、週刊誌が園子に関する疑惑−−コンクールが正式なものでなかった事と、恩師との関係−−に関するスクープ記事を掲載。

ちょっと中ダルミを感じかけたところで、園子を巡る動きに少し変化が出てきた。
この「讃歌」というタイトル。最初は傷心の弦楽器奏者が皆を癒していく話かと思っていたのが、次第に明らかになっていく園子の本質と照らし合わせると、どうもそんな底の浅い話では終わらない感じ。
けっこう毎日が楽しみです。



2004.12.26
TV番組のおかげで脚光を浴びる様になった柳原園子。TV番組後に発売されたCDもかなりの売行きとなり、それにつれて彼女関連の様々な情報が浮上。少女時代に優勝したというコンクールは特定メーカの提供するローカルなものであり、彼女を見出したという恩師もそこまでの関与はなかった。いわゆる「クラシック界」では彼女の存在はほとんど認められていなかった。
そんな中、番組の制作が適切だったかを議論する審議会が設けられ、関わった者たちを次第に巻き込んで行く・・・

うーん、まあ最初の「つかみ」はそこそこで、多少秘密めいた感じを引っ張っているが、やや冗長の感じ。柳原園子自身が取材及びその後の会談でも、過去の疑いに相当する部分を何もコメントしなかったのは何故か?単に売名目的だったのか?
この辺りはもう少しテンポを速めて園子自身を登場させないと、ちょっとダレる感じ。
新聞小説が途中で挫折するのは大体こういうところ。



2004.12.5
9月から始まっている。作者は篠田節子。
前回の「終りからの旅」は途中「中だるみ」もあったが、そこそこ読む事が出来た。今回はどうかな?(今のところほとんど欠かさず読んでいる)。
TV制作会社に勤める小野。ある日偶然に聞いたヴィオラの「アルペジオーネ・ソナタ」に心を奪われ涙する。その後ヴィオラ奏者である柳原園子を知り、彼女を題材にして特別番組を作る方向で話は展開して行く・・・・・・
朝日の新聞小説については過去さんざん失望して来た経緯があるが、今回は多分一番気持ちに入り込んで来る感じがある。まあ「つかみ」がいいというだけかも知れないが、毎朝必ず習慣として「読む」という行為がキチンと理解されている。この人の小説は全く読んだ事はないが、細かい配慮が背景にある。

物語は、番組終了後急に脚光を浴び始めた柳原園子と、その周辺の動きに対して微妙に違和感を覚え始める小野がどう絡むのかな?と期待させる展開となっている。
さて、この後小野と園子との関係はどうなっていくのか?
この園子の設定(40代半ばで未婚:最初はかなり微妙な印象)も、読み進むうちに次第に好ましいものになって来た。
彼女の作品、まず1冊ぐらい読んでみようか(何がオススメかな?)

 

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