洋画

 

 

題名 公開年  監督 音楽
ガタカ 1997 アンドリュー・ニコル  

出演  ヴィンセント:イーサン・ホーク、ジェローム:ジュード・ロウ、アイリーン:ユマ・サーマン

遺伝子工学が非常に発達した近未来。赤ん坊は生まれてすぐ検査により病気のリスク、知能、寿命予測まで出来る。
遺伝子操作により優れた子供を産むことが出来る状況で、自然な環境で生まれたヴィンセント。
心臓に障害を持ち、遺伝子的に劣るというレッテルを貼られて育っていく。弟は遺伝子操作をされて生まれ、全ての面で兄に優っている。
宇宙に夢を抱くヴィンセント。「ガタカ」という宇宙関連の組織に入社しようとするが、遺伝子検査ではねられ、清掃員としてしか採用されない。
そんな時に、遺伝子をネタに裏稼業をしている男と知り合う。優れた遺伝子を持ち、水泳の選手だったのが、交通事故に会って下半身不随になったジェロームを紹介される。
血液、尿、唾液。あらゆる方法で遺伝子構造がチェックされ、個人の特定ができてしまう。
それらを様々な方法で切り抜け、ジェロームになりすまして「ガタカ」に入社するヴィンセント。
念願の土星への出発を1週間後に控え、事件が発生する。
感想
これはSFと言うのだろうか?と言うほどサイエンスの表現が少ない映画。
遺伝情報に差別されているヴィンセントと、事故のために夢を剥奪されたジェローム。
自分を偽るヴィンセントも悲しいが、自己の生活維持のため彼を入社させ、チェックをごまかすための血液、尿などを提供するジェロームの苦悩。
ヴィンセントと弟との確執もていねいに描かれ、やや異質ではあるがいい映画と思う。
ヒロインのユマ・サーマンも、ちょっと昔の女優みたいで軽いよそよそしい雰囲気がマッチしている。
ただし、宇宙船はただの光跡しか出てこないし、最終の出発場面でもスーツにネクタイ姿での出航は、さすがに「おめえ、そらー手を抜きすぎだ」と言いたくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
明日に向って撃て 1968 ジョージ・ロイ・ヒル バート・バカラック

出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス  

強盗を繰り返すブッチ(ポール・ニューマン)とサンダンス(ロバート・レッドフォード)。
列車強盗を繰り返すうちに、銀行がつわものを募って彼らを追跡する。
エッタ(キャサリン・ロス)はサンダンスの恋人だが、3人が強い絆で結ばれている。
追っ手から逃れながらボリビアまで行き、そこでまた強盗を繰り返す。その結末は・・・
感想
基本的には音楽の強い印象。ブッチがエッタを自転車に乗せて走り回るシーンのバックに使われた、B・Jトーマスの「雨にぬれても」が有名。
しかし一番は、ボリビアに逃れてからまた強盗を始め、追っ手から逃げる時に流れる「サウス・アメリカン・ゲッタウェイ」。このスキャットが映像とぴったり合って、この数分間はいつもゾゾッとチキン肌状態。
一時期、これのサントラ盤を探しまくった。
映画としては、賛否両論。実在の人物の話だが、エッタの位置付けがイマイチ。
教師でありながら、なぜ強盗との接点があったか。ボリビアまで付いて行くか?普通。
ボリビアでも強盗の片棒をかついだり、と見方によってはブッ飛んだ女性。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲 1997 ジョエル・シューマッカー  

出演:バットマン:ジョージ・クルーニー、ロビン:クリス・オドネル
    Mr.フリーズ:アーノルド・シュワルツェネッガー

よそ事をしながらテレビをチラチラ見ていただけなので、細かいストーリーは不明。
感想
前作の、暗い宿命の背負い方に比べると、完全コミック路線。中身のなさが素晴らしい。
ジョージ・クルーニーは「ER」ではいい役者と思っていたが、マスクをかぶると肉がはみ出してみっともない(顔がでかいのか)。
まあ、最初のバットマンは逆に重いものを背負いすぎて暗かったから、これもまたいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
精神分析医J 1994 ブルース・ベレスフォード  

出演:リチャード・ドレイファス、リブ・タイラー、リンダ・ハミルトン   

何者かに両親を殺された姉、そして歳の離れた弟。
少年が自閉症児だったため、精神分析医のジェイクが、少年が見た事実を究明して行く形でストーリーが展開。
感想
まだ新しい映画なのであまり詳しくは書かない。
自閉症児には特殊な能力があるという、ある意味「おやくそく」に期待した様なところがあって、ちょっと安直な印象があるが、リブの可憐な演技にごまかされたか・・・
リブ・タイラーのデビュー作。この映画の後、出演オファーが増えた。スティーブン・タイラーの娘とは思えないほどカワいい。ただ、演技はやや大味。
リチャード・ドレイファスは、堅実な渋さでもっと注目していい役者。ロイ・シャイダーと入れ替えた方がいい映画をいくつか思いつく。
リンダ・ハミルトンは、「ターミネーター」の強いおっかさん、の印象が強いが、今回は完全なワキ役で、ちょっとかわいそうな感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
死刑台のエレベーター 1957 ルイ・マル マイルス・デイヴィス

出演:ジャンヌ・モロー、モーリス・ロネ     

音楽だけは昔から知っていたが映画は全く知らず、今回ようやく観ることに。

男と女が電話で会話。誰かを殺し、その後2人で逃げる計画。男はアリバイ工作をしながら階上の社長室に乗り込み、社長を殺害。手際良く済ませたかに見えたが、ロープを残した事に気づき、引き返す。だが手違いで男はエレベーターに閉じ込められる。
女(男の共犯者)は男を捜して町をさまよう。
もう一つのドラマが進行。娘:会社の向いにある花屋の店員。恋人の若者が男の車を奪う。
やむなく同乗する娘。途中ベンツと競り合った事がきっかけで、相手のドイツ人夫婦と同じモーテルに泊まる事となり、彼らに夕食を招待される。
未明に若者は逃げ出す。ドイツ人の車を盗もうとするが見つかり、彼らを殺してしまう。
翌日、電源が入るとともにエレベーターが復旧し、男は逃げ出す。だが若者たちは、男の名前を騙っていたため、男の写真が新聞に載りあえなく逮捕。
救おうとする女。娘の居所を調べ、男の濡れ衣を晴らそうとする。男が持っていた小型カメラで若者が写真を撮られていたため、ドイツ人夫妻殺しの疑いは晴れたが、そこには別の写真も・・・・・
感想
何と言っても、「マイルス・デイヴィス」の抑えたミュートトランペットがいい。元来ミュートは嫌いだが、この場面ではこれ以外の楽器は考えられない。
ドラマとしては「死刑台のエレベーター」と言うほどエレベーターに意味がある訳ではなく、やや冗長なところもあって、素晴らしい!とまでは言えないか。
殺人を教唆しておきながら、男が来ないからといって、街へ出て男の行き先を聞き回るというのは、筋立てとしてはヘン。ただしこの時のバックの音楽は映像と良くマッチしていたので、結局マイルスに合わせた映画ってことか。
ただ、「ひまわり」の時にも感じた「戦争の面影」を引きずっているという印象はある。
ベンツの300SLは良かったナー。あれが40年以上前の車とは!
ラスト近くの場面で、現像液の中に浮かび上がる男と女の笑顔が秀逸。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
戦場のメリークリスマス 1983 大島渚 坂本龍一

出演:デヴィッド・ボウィ、坂本龍一、ビートたけし        music

音楽の記憶の方が強い。坂本演じる「将校ヨノイ」は無理に口を引き締め、やや不自然だったか。
印象に残る場面
・縛られたセリアズ(ボウィ)がヨノイ(坂本)に寄りかかる様にして彼の頬にキス。
・月夜。首だけ出して埋められているセリアズ。刀を抜いて対峙するヨノイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
バニシング・ポイント 1971 リチャード・C・サラフィアン  

出演:バリー・ニューマン      

デンバーからサンフランシスコまで車の陸送を請け負った男。妻の出産で金が必要だった。
スピード違反でパトカーに追いかけられたのをきっかけに、だんだん話が大きくなっていく。
警察は意地になって追跡する。無線傍受で状況を知ったラジオDJ(スーパーソウル)が男を応援。
最後は、警察がバリケードに設けたブルドーザーに激突。
コメント
実は、まだ観ていない。高校時分に映画雑誌かなんかで知って、観たかったのだが上映期間を逃し、観たい気持ちだけが残った。ストーリーは大体把握している。
主役の車は「ダッジ・チャレンジャー」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
未来世紀ブラジル 1985 テリー・ギリアム マイケル・ケイメン

出演:ジョナサン・プライス(サム)、キム・グライスト(ジル)、ロバート・デ・ニーロ(タトル)    

技術的にはややレトロな社会。情報省に勤めるサム。羽根によって空を飛び、女性を救う夢を毎晩見る。ある日、事務処理のミスで一般人がテロリスト(タトル)と間違えられ、連行された先で死んでしまう。サムはそれをもみ消す役目でそのアパートに行くが、そこで夢に出てきた女性とそっくりなジルに出会う。
ジルは大型トレーラーを操る労働者。死んだ男の家族のため、情報省に掛け合おうとしていたが、様々な迫害にあい、社会的な記録も抹消される。サムは彼女を助けるために奔走。だが、次第に組織の秘密に近づいていく。
危険分子とみなされ、サムは捕まり洗脳されそうになるが、そこへテロリストのタトルが仲間とともにサムを助けに来る。サムはタトルと協力して組織に反抗。ジルを何とか見つけ出し、彼女の運転するトレーラーで新天地へ・・・・・・
だが、それらは全て洗脳された後の幻想だった。
感想
確か、新聞の宣伝を読んでやる気満々で観に行ったと思う。陳腐な夢の飛行シーン、甲冑姿のサムライ、と悪趣味の連続で、「何だ、これは」という怒りが湧いたが、その後は極めて面白い物語として楽しめた。ロバート・デ・ニーロの「タトル」が文句なしに面白い(初めはまさか、と思っていた)。サムが暖房修理の業者から嫌がらせを受けていた時に、何処からか現れてきて、その業者を撃退。ロープを使って去っていく、まるでヒーローもののノリ。
クライマックスの洗脳を受ける場所。SFXだと思うが、信じられないほどに広い空間が演出され、圧倒された。
そこへロープを伝って助けに来るタトルの部隊。思わず拍手したくなる。
ジルもなかなか魅力ある女性。とぼけたサムといい掛け合い。
途中、サムの母親(美容整形狂い)とか、サムがアパートに乗っていったメッサーシュミットの3輪自動車(戦後メッサー社が戦闘機のボディを改造して商品化したもの)とか、いろいろ仕掛けが面白い映画だった。
サンバの名曲「ブラジル」の軽快なリズムがこの映画の全体イメージを支配している。ミスマッチの様な気もするが、なかなかツボにはまっている。



 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
ブレインストーム   1983 ダグラス・トランブル ジェームス・ホーナー

出演:クリストファー・ウォーケン、ナタリー・ウッド、ルイーズ・フレッチャー     

女性科学者リリアンをリーダーとする開発チームで、脳に直接情報を入力して擬似体験を行う事の出来る装置を開発。マイケルはそのメンバー。完成間近に、軍部が洗脳装置としての価値を見出し、争いが始まる。
リリアンはこの争いの中で心臓発作を起こしながらも自分の死をその装置で記録。
マイケルは軍部との争いの中でリリアンの死の記録を体験。妻の呼びかけで引き戻される。死の体験とは一体何だったのか?
感想
クリストファー・ウォーケンがいい。彼は「ディア・ハンター」でのロシアン・ルーレットで切れまくりの演技をしたが、今回は抑制された科学者を好演している。不思議な存在感がある。
装置開発リーダを演じたルイーズ・フレッチャーの毅然としたところも印象的。生の記憶は水晶玉の中に封じ込められて漂い、まるで曼荼羅そのまま。この辺りは仏教をかなり意識している。
さほど話題にはならなかったが、印象に残った。後半、死を体験したウォーケンの逝っちゃってる目が良かった。

この映画が「ナタリー・ウッド」の遺作となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
ひまわり       1969 ヴィットリオ・デシーカ     ヘンリー・マンシーニ    

出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ   

非常に地味だが、ソフィア・ローレンの魅力を十分に引き出すべく作られた映画。
列車の窓の光景が突然黄色くなり、眼前いっぱいに広がるひまわり。 そしてあのテーマ曲。延々と続く兵士の墓も印象的だった。
新婚早々ロシア戦線に出兵したジョバンニ。だが戦争が終わっても夫は帰らない。
夫を探しに出かける妻。見つけた夫は別の女と新しい暮らしをしていた。戦争で傷付き瀕死だったジョバンニをロシアの娘が助けたことからこの関係になった。
妻は状況を察して身を引く。

後半、アントニオが再び会いに来て、もうその時はジョバンニは再婚。でも子供はアントニオと名づけて・・・以前は蛇足だと思っていたシーンも、今では理解できる。歳をとったものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
2001年宇宙の旅   1968   スタンリー・キューブリック  リヒァルト・シュトラウス    

出演:キア・デュリア(ボウマン)       

月のティコ火口で見つかった石板(TMA1)。木星に向かって発せられる電波の謎を解くために、ボウマン船長ら3人とコンピュータHAL9000を乗せた宇宙船が木星に向かう・・・
この映画が一度で理解されたら、我々の意図は失敗したことになる−−と原作者のアーサー・C・クラークが言っている様に、極めて難解な話。木星にたどり着いた時、そこにも石板が。中に吸い込まれ、光の洪水へ。行き着く先にあったのは白く広い部屋とボウマン自身。年老いたボウマンの元に現れる石板。胎児として甦る彼(全ての記憶を蓄えたまま)。地球を眺める胎児。一段高いレベルへの飛躍。
石板は新たな進化を促すエレメント。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
華麗なる賭け  1968   ノーマン・ジェイソン  ミシェル・ルグラン   

出演:スティーブ・マックィーン、フェイ・ダナウェイ    

大富豪が道楽で銀行から大金を盗み、それを美人探偵が探る。2人の知恵比べ。
初めのシーンがいい。のどかな丘陵、遠くに浮かぶもの・・・ほどなくして、シュシュシュ・・・という風切り音に乗って突然小高い丘からグライダーが現れる。そしてテーマ曲の「風のささやき」。
とにかくおしゃれな映画。フランス的なものとアメリカ的なものとがいいバランスで織り込まれ、心地よい。なぜかストーリーの記憶はほとんどない。
ただ、マックィーンはどう見ても大富豪というよりガキ大将。彼の本質は「ブリッド」だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
ザ・ウォール  1982   アラン・パーカー  ロジャー・ウォーターズ(ピンク・フロイド) 

出演:ボブ・ゲルドフ  アニメーション:ジェラルド・スカーフ     

ロック界の大スター「ピンク」。麻薬でボロボロになった彼の、生い立ちから成長する過程での溺愛、孤独、「心の壁」。名声を得てからの独裁、冷酷な振る舞い。次第に幻覚に取り込まれて行く・・・
ピンク・フロイドのプロモーション・ビデオ、と言ってしまうのはもったいない。主演のボブ・ゲルドフは「ブーム・タウン・ラッツ」のリーダー。ナイーブさと鋭さを併せ持ち、狂気に転じていくピンクを見事に描く。アニメーションが若干奇異に感じる時もあるが、これも重要な要素。でも一番はやはり音楽。脚本は、グループメンバーのロジャー・ウォーター。作品の芯は彼の心の叫び、狂気であると監督に言わしめたその深層にあるものは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
イージー・ライダー 1969 デニス・ホッパー ザ・バーズ

出演:ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン 

オートバイで放浪の旅に出るヒッピーの2人。金はチューブに入れてガソリンタンクの中に。
前半の、ハイウェイを2人で走る時に流れるステッペン・ウルフの「BORN TO BE WILD」は本当にのびのびしていて、「大陸横断のツーリングなんてええなー」という気分にさせた。
途中で、見かけはまとも(短髪)の青年を拾って旅を続けるが、実はすごいアル中の弁護士。小瓶のウイスキーをあおって「ウーン、ニッ、ニッ」と腋を開いたり閉じたり。これを観た後、学校で牛乳を飲んだ後「ニッ、ニッ」とやるのがローカルで流行した。この青年がまさかのジャック・ニコルソン。最近これをビデオで観直した時には笑ってしまった。

その男もヒッピーとノー天気に友達しているという事で、深夜に撲殺される。2人は謝肉祭に参加するために旅をしていたのだが、リアルタイムで観ていた時はもちろんそんな事は判らない。謝肉祭のシーンでは、男が夢遊病の様にさまよい、娼婦と抱き合って、全く異様な雰囲気。

結局2人は地元の保守的な男達にあっけなく殺されてしまうのだが、そのあっけなさがまた、この映画が印象深かった理由かも知れない。
最後に、バイクの前輪が緑の草原にコロコロと転がっていくシーンが強烈に残っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
フレンチ・コネクション 1971 ウィリアム・フリードキン ジェリー・グリーンバーグ

出演:ジーン・ハックマン(ドイル)、ロイ・シャイダー(ルッソ)  
    フェルナンド・レイ(シャルニエ)

フランスとアメリカを結ぶ麻薬取引のルート(フレンチ・コネクション)を巡って組織壊滅に執念を燃やすポパイ(ドイル)とルッソ。
元締めのシャルニエがなかなかの雰囲気で、いい。
シャルニエを張り込んでいる時に、相手は高級料理、こっちはハンバーガーとカップコーヒー。ポパイが途中でいまいましそうにコーヒーを流して捨てるシーンが笑えた。
とにかく、ポパイの「やりすぎ」に近い強引な調査。悪を憎む信念がそうさせるのだが、時にカラ廻りして警告も受ける。
ここで出てくるカーチェイスは、「ブリット」と比較されるほどエキサイティング。ただその必然性があったかというと、ちょっと微妙かな?
最後に組織へ急襲を掛けて一網打尽にするが、首領のシャルニエはおらず、小船に乗ってトンズラ。ポパイは走って追いかけるが、惜しいところで逃げられる。
最後にシャルニエが何ともいえない表情で「チャオ」のアイサツ。
完全に2を意識した終わり方でした(ただ、そんなに悪い感じじゃなかった)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
フレンチ・コネクション2 1975 ジョン・フランケンハイマー ドン・エリス

出演:ジーン・ハックマン(ドイル)、フェルナンド・レイ(シャルニエ) 

前作で惜しくも首領を逃がしたポパイ。その後も組織を追い続けたのだが、深入りして捕らえられ、自身が麻薬漬けにされてしまう。
廃人同様にされて返されるが、ポパイはすさまじい執念で禁断症状と闘い、それを克服する。

今度の組織つぶしでもシャルニエは辛くも逃げ出すが、それを自分の足で走って追うポパイ。モロ中年男がヘロヘロになりながらも走って、走って追いかける。これは本当に鬼気迫るシーン。
最後の最後、ポパイが力尽きて膝を落とし、これでもう終わりかというところでシャルニエが船の先端に立って通り過ぎる姿が。
「シャルニエ!」と一言叫んでピストルで一発。
崩れ折れるシャルニエ。うーん、うまい! てな感じですナ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
太陽がいっぱい 1960 ルネ・クレマン ニーノ・ロータ

出演:アラン・ドロン、モーリス・ロネ、マリー・ラフォレ 

金持ちの放蕩息子フィリップを連れ戻す様に彼の父親に頼まれたトムは、ナポリにやって来る。目的を知って煙たがるフィリップだが、友人の気安さから服やその他の所有物を貸し与える。
フィリップには恋人のマルジュがいて、トムは次第に惹かれていく。
フィリップの所有するヨットで2人で遊ぶ時、フィリップは時にマルジュの前でトムを虐待した。
ある日フィリップとヨットで出かけたトムは、彼をナイフで刺し殺す。
その後トムはフィリップになりすますため、身分証明書を偽造。サインも投影機を使って完璧にマスター。
だが、その思惑は次第に綻び始める。疑いを持ったフィリップの友人フレディも殺し、その罪をフィリップに着せるべく工作。
その後マルジュの心もつかみ、仕上げは完璧かに見えた。
海へ泳ぎに行く2人。
その頃、競売に掛けられて買い手のついたフィリップのヨットが引き上げられていた。そのヨットの先にロープが・・・
ロープにはトムが殺して袋に詰めたフィリップの死体がつながれていた。

貧しいトムの鬱屈した感情には、いとも簡単に移入出来る。フィリップ自身はごく単純なお坊ちゃんの感覚で、トムに対してそれほどの悪感情は持っていないのだが、次第に憎悪を膨らませて行くトム。
フィリップのサインを投影機にかけてその前でサインをする姿が、鬼気迫る感じで良かった。最後のヨット引き上げの場面では、ロープがスクリューに絡まっていたという設定だが、あんなに絡んでいたんでは、自力で湾内走行も出来ないナー(まあ細かい事だけど)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
雨の訪問者 1970 ルネ・クレマン フランシス・レイ

出演:チャールス・ブロンソン、マルレーヌ・ジョベール 

地中海に面したある避暑地。若い人妻が雨の日に覆面をした男に襲われ、レイプされる。この男はその日の昼に街で見かけたよそ者であり、彼女と顔を合わせていた。
彼女は抵抗の末、男を射殺。
その後彼女の前に現れた男。誰も知らない筈の彼女の殺人を知っていた。

やはり、これは音楽を楽しむための映画でしょう。メインテーマもいいけど、一番好きなのは「ワルツ」ですね。映画だけでなくFMでも、当時の楽団ものばやりの関係で、よく流れていた記憶があります。
チャールス・ブロンソンはこの映画で、鳴り物入りで日本デビュー。例の「うーんマンダム」でメジャー人気も出たけど、最初は何でこんなにモッサリしたオッサンがもてるんだろう?と不思議でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
ブリット 1968 ピーター・イェーツ ラロ・シフリン

出演:スティーブ・マックイーン、ロバート・ボーン、ジャクリーン・ビセット 

ある男の護衛を依頼された刑事のブリット。恋人に逢っている最中にその男が狙撃されるが、実はその男、本来護衛する者ではなく、ニセ者だった。
男は死ぬがブリットはその男を生きている様に見せかけ、殺し屋を誘い出してサンフランシスコの街で追跡。
事件には政治家の陰謀が絡んでおり、ブリットは自分の職務を賭けて挑んでいく。

はっきり言って、カーチェイスしか記憶なし。
車はフォード・ムスタング390Gファストバック。確か黒に近い緑だったと思う。
うねうねと波打つサンフランシスコの坂道をドワーンとジャンプして火花を散らす。
カーチェイスが一段落して、ブリットがハンドルを切ってバックする時、タイヤが偏心して「ぐあんぐあん」てな具合に廻っていたのが妙にリアリティがあった。
そういえば、自分で車に乗る様になって、一度この映画みたいに「どわーん」とやったら、フロントがドカンと接地。あれは相当サスを強化していないとあり得ないアクションだと理解しましたー。
へー、ジャクリーン・ビセットが出ていたんだ。彼女といえば「ザ・ディープ」が一番印象的だなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
ブレードランナー 1982 リドリー・スコット ヴァンゲリス

出演:ハリソン・フォード、ルドガー・ハウアー、ショーン・ヤング 

2019年のロスが舞台。「レプリカント」は極地業務用として開発されたアンドロイド。部分的には人間以上の能力を持つが、その寿命は4年と設定されている。
その中でも優秀な「レクサス」型が人間に反抗して事件を起す様になる。ブレードランナーは彼らを見つけ出し抹殺するプロフェッショナル。

宇宙船を乗っ取って地球に戻った4体のレプリカントを抹殺する指令を受けるデッカード。レプリカントの製造メーカであるタイレル社で謎の美女レイチェル(ショーン・ヤング)に出会う。テストの結果、彼女がレプリカントである事を知るが彼女はそれを知らない。
レプリカントのボスであるバッディ(ルドガー・ハウアー)との壮絶な闘い。闘いの終盤で敗れたデッカード。ビルの端にぶら下がり、もうこれで落ちるという瞬間にバッディが助ける。そして息絶えるバッディ。

何と言っても、最初のエアカー様の乗り物で街を俯瞰しながら降りていくシーンがいい。ちょっとB級っぽくて、超本格的という感じではなく、街も中国的というか日本的というか、この東洋的雰囲気はその後のSF映画の表現の原点になっている。
4年しか寿命のないレプリカントの苦悩。リーダーのバッディは完全に主役を食って、すばらしい。
でも最後のハッピーエンドは、個人的にはイマイチだったかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
フラッシュダンス 1983 エイドリアン・ライン ジョルジョ・モロダー

出演:ジェニファー・ビールス、マイケル・ヌーリー 

ピッツバーグで溶接工として男どもに混じって働くアレックス。
夜はバーのフロアダンサーとして踊っているが、プロのダンサーになるという夢を持っていた。

テレビの前宣伝で、モデルに水がバシャッと掛けられるシーンをさんざん見ており、さて一体どんなお話かな、と思ったらそのシーンはバーの演出の一つであり、特に何という事はなかった(なーんだ)。
いわゆる「サクセス・ストーリー」。境遇に負けずに頑張るアレックスの姿は愛らしく、音楽は、テーマソングがけっこう流行ったのでこれも楽しめた。
最後、オーディションで自由奔放な踊りを見せて審査員を驚かすところが印象的だったほかは、あんまり記憶なし。
彼女と軽くデートで観るというノリかな(誰と見たっけ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
スタートレック ディレクターズ エディション 1979 ロバート・ワイズ ジェリー・ゴールドスミス

出演:ウィリアム・シャトナー(カーク)、デフォレスト・ケリー(マッコイ)、レナード・ニモイ(スポック)
    スティーブン・コリンズ(デッカー)、バーシス・カンバータ(アイリーア)

日本でも「宇宙大作戦」として人気の高かったこのシリーズにおける初の映画化。
洋題は「Startreck The Motion Picture」
新生エンタープライズ号(デッカー艦長)の出航を控えて、地球外から謎の発光雲が接近。重大危機であるということで、元艦長のカークが呼び戻される。艦長の交替を命じるカーク。デッカーは副長(科学主任)に。緊急事態のため、以前のクルーが終結(TVシリーズのオリジナルメンバー)。もちろんスポックも。
デルタ星から派遣されて来たアイリーア大尉。彼女とデッカーは元恋人同士だった。
エンタープライズは「ヴィジャー」と呼ばれるその巨大物体に接近。そしてアイリーアがヴィジャーのプローブとして支配され、ヴィジャーからの指令を伝えると共に、エンタープライズの情報収集を始める。ヴィジャーの旺盛な知識欲。
ヴィジャーの内部に導かれるエンタープライズ。
ヴィジャーの中心部に据えられた機械。それは人工衛星だった。
はるか昔に地球から送り出されたヴォイジャー6号。それが長い年月でデータ収集を行ううちに自律した知能を獲得して知識や機能を集積し、一種の生命体となって地球に舞い戻って来たのだった。
ヴィジャーは「クリエーター」と合体することを最終目的としてインプットされていた。クリエーターは何処かと迫るプローブ(のアイリーア)。デッカーがヴィジャーに残ると言い、ヴィジャーの一部であるアイリーアと「合体」。
彼らを残してエンタープライズは離脱。

感想
まあ「宇宙大作戦」を見ていた世代には非常に懐かしく「やっぱ艦長はカークでなくちゃ」と思わせてしまうのが、果たして成功なのか?
ヴォイジャーはとんでもなくバカでかいのだが、その行動は極めてデリケートであり、やや違和感あり。アイリーアはカツラでなくマジスキンヘッドだったが、非常にかわいらしくて印象的。
機械と人間の合体って、そーゆー事だったのね〜、と最後に笑ってしまった。
アメリカでは「トレッキー」と呼ばれるスタートレック「ヲタク」が多数いるらしい。そういえば、日本でも「週刊スタートレック」なるものが発行されている(まだ続いているのかな?)
「あっさんず同盟」の主宰者が、そういえば「トレッキー」だった様な・・・・・・

 

 

 

   

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
チョコレート 2001 マーク・フォスター  

出演:ハル・ベリー、ビリー・ボブ・ソーントン

アメリカ南部の片田舎で州立刑務所の看守を勤めるハンクは、父親の影響で黒人に対して強い偏見を持っている。息子のソニーも看守となったがまだ新米。ハンクには妻はなく(離別か死別か)特に楽しみも持たない男だが、カフェでチョコレートアイスを食べるのを習慣にしていた。そこでウェイトレスとして働くレティシア。
黒人死刑囚の男を処刑する事になり、その作業の中でソニーが失態を演じた。ハンクは怒りに任せてそれを強くなじる。息子は父を愛していると言いながら、彼の目前でピストル自殺した。強いショックを受け、看守を退職するハンク。
一方、レティシアは死んだ死刑囚の妻だった。一人息子タイレルを抱えての苦しい生活だったが、その息子が事故に会う。偶然そこに居合わせたハンクは車で息子を病院に送り込むが、息子は息を引き取る。
お互い息子に死なれた者同士で、次第に傷を埋め合う様に愛し合って行く2人。黒人に対する偏見に満ちていたハンクだったが、レティシアとの新しい生活に向けて真剣に考え始める。それを受け入れるレティシア。
ある日彼の家へ行ったレティシアは、そこに死んだ夫が描いた絵を発見した。それは死刑囚がハンクのために描いたスケッチだった。
自分が愛している男が夫を死刑執行した人間だった。レティシアは非常に強いショックを受ける。そんな彼女にハンクはそっと寄り添って座り、チョコレートアイスを食べ始める。そして彼女にもスプーンで掬って差し出す。少しの間合いの後、それを食べる彼女。
そのチョコレートアイスの味は・・・・・

感想
以前●DNのフォーラムで遊んでいた時にこの映画の話が出て、「すごく良かった」って言う人がいたんで観に行ったもの。ハル・ベリーがこれで何か賞をもらったとか言ってたが、確かに黒人としてはけっこう魅力的かな?
ハンクの日常描写の一つとして、売春婦を家まで連れて来て(いわゆるデリヘル?)そこでヤルというのがあったが、前戯も何もなくただ女はGパンを下ろすだけで、男はズボンを下ろしてバックからズコズコ。全く「どひゃー」という映像だった。あれでイけたら、男なんて確かにただの「動物」だわな。
淋しい者同士が寄り添うというのはすごく美しいものだが、結ばれた2人のSEXの激しさはかなりのもので、「オイオイそらーないぜよ」といった雰囲気もあった。抑圧されたものが一気に放出されたという演出なのかね?
テーマについても、黒人蔑視の男が目覚めて行く姿なのか、結局単に労働力、性の処理相手としてしか位置付けていないのか、微妙なところで「後者」と結論付けました。
女についても、愛なのか打算なのか・・・・・ウーム、微妙。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
タイムマシン 2002 サイモン・ウェルズ クラウス・パデルト

出演:ガイ・ピアーズ(アレクサンダー)、サマンサ・ムンバ(マーラ)
    シエナ・ギレリー(エマ)

若き科学者アレクサンダーはある日、恋人エマに結婚の申し込みをし、ささやかながら婚約指輪を渡した。その夜二人は公園で強盗に遭遇する。持ち物を全て奪い去ろうとする強盗。だがエマはその指輪を渡す事を拒んだためピストルで射殺されてしまう。その日からアレクサンダーは取り憑かれた様に研究に没頭、4年の歳月をかけてその機械「タイムマシン」は完成した。
それを使って過去に舞い戻るアレクサンダー。そして強盗に出会わない様に行動を変化させるが、エマは暴走して来た馬車に轢かれて息を引き取る。何度繰り返しても、結局エマが死ぬ運命を変える事が出来ない。アレクサンダーは、エマが蘇生出来るための技術を得ようと未来に向かう。
そこでも回答はなく、未来の人類が行った失策(月の改造)のために起こった混乱のための手違いで遥か80万年の未来へ飛ばされる。
そこにはすばらしく美しい森で樹上生活をするイーロイ族が生活しており、彼はそこで美しい娘マーラに助けられ、介抱を受ける。だがその世界にはもう1つの種族モーロック族がいた。彼らは地下で生活し、イーロイ族を食料としていた。

感想
1895年にH・G・ウェルズが発表したSF小説の映画化。監督のサイモン・ウェルズはその曾孫だとか(!)
前半部分(恋人に死なれる)は原作には全くなく、後半のイーロイ族(原作ではエロイ族)とモーロック族との関係はほぼ継承。
恋人に死なれた、か弱い科学者がいつの間にか強靭なファイトマンに変化し、未来に来てからは新しい女性と手を取り合って、地下民族を全滅させる。
確かにB級のイメージがプンプンするけど、まあ原作の練り方も大した事ないから、小説からタイムマシンのああいった形態を実体化させた面白さという面では楽しめた(原作のタイムマシンはまたがる方式のスクーター型)。
ガイ・ピアーズは、今後こういったアクション系の俳優として人気が出るかもね。新生007として大幅にシリーズを若返らせるとか、いいんじゃない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

題名 公開年  監督 音楽
       

 

 

 

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